コルレス銀行業務:高リスク地域で低リスクビジネスを行う


コルレス銀行業務:高リスク地域で低リスクビジネスを行う

健全なコルレス銀行ネットワークは全ての人々にメリットを与えることができます ー さらにテクノロジがその恩恵を私達の手に届けてくれます。

コルレス銀行リレーションシップは銀行業界だけでなく、経済全体にとても重要です。この広大なネットワークは金融包摂を養い、様々な人々と企業にアクセスしにくい銀行サービスを簡単に提供します。その結果、国家間の取引関係を円滑にすることができます。

コルレス銀行業務は、経済が繁栄するために必要な栄養素を提供する循環システムとも言われていますが、実は攻撃に対しては脆弱です。銀行は、自分自身と顧客を金融犯罪から保護するために広範な努力を尽くしています。しかし、他の銀行との新なリレーションシップを始める時、または既存の関係を常に監視できない時、金融機関はリスクエクスポージャーを完璧かつリアルタイムで把握することができません。その為、相手先の金融機関のリスクにさらされる可能性もあります。

ディリスキング(リスク回避)VS リリスキング (再リスク化)

トランザクション(取引)チェーンは長くて複雑であり、複数の管轄区域にまたがる受取銀行及びコルレス銀行と顧客が関与しています。銀行は、取引の当事者との直接なリレーションシップがない場合はとても簡単にリスクにさらされます。

アメリカ合衆国司法省は2020年5月に、250を超えるダミー会社を利用して25億ドルの不正な金融送金を犯した28人の北朝鮮人と5人の中国人の銀行家に対する起訴を発表しました。取引は、北朝鮮の国有外国貿易銀行 (FTB)がUS Specially Designated Nationals and Blocked Persons list (米国特定国籍業者リスト、米国禁輸国リスト)に掲載された後、制裁を回避するために取引を意図的にコルレス銀行にて通して実施しました。

これは、世界中の規制当局が国際的な銀行ネットワークにおけるマネー・ロンダリング(資金洗浄)とテロの資金調達に対抗するために多くの予防措置をとっている中で実施された行動であります。銀行はコンプライアンス対策を強化していますが、コンプライアンスのコスト増加とコルレス銀行に関連するリスクの増大により、多くの機関はディリスキングを選択し、脆弱と考える管轄区域から撤退しています。

BISのデータによりますと、2011年から2018年の間に、世界中でコルレス銀行関係が5分の1に減少しました。他より大きな打撃を受けた地域も見られ、特に資金が限られる地域がそこに当たります。なぜならば銀行は主に、金融犯罪に関するガバナンスと統制が貧弱と思われている国、または経済成長があまり豊ではない国から撤退しているからです(例えば、ベネズエラのコルレス銀行の数は60%以上減少しています)。

この傾向はアジア全体でも同様です。シンガポールでは、2011年から2018年の間にコルレス銀行業務のリレーションシップが10%減少し、またフィリピンでは、20%以上減少しました。

FATFはディリスキングのことをこう定義しています。「FATFのリスクベースアプローチ(RBA)に従ったリスク管理方法をとらず、国全体からまたは顧客の一部との取引を制限・終止させることによりリスク全体を回避すること。」

この傾向を逆転させることは様々な方の利益になります。だからこそ、金融機関はRBAフレームワークを活用して、取引相手との関係性を”Re-risk”する必要があります。全面的に全てを再リスク化をするのではなく、テクノロジーを活用して透明性を高めることが大事です。強力で信頼できるコルレス銀行業務のネットワークを生みだすには、金融機関が最終顧客を明確に見通せるべきです。

規制が急速に変化するこの環境下では、KYCとマネーロンダリング対策(AML)専門家は、金融犯罪のスクリーニングプロセスを危険をさらす次のような盲点に注意する必要があります:

  • ダイナミックなリスクプロファイル
  • 規制の変更
  • 理解しにくい資本構造

取引先関係におけるAML / CFTリスクの削減

基本的なリスク要因には ネストアカウント、シェルバンク、顧客の顧客、制裁措置、地理的リスク、限られたデータセットなどがあります。

コルレス関係に参入する銀行は、取引に関わるすべてのコルレス銀行と受取銀行が適切な統制とガバナンスを実施しており、KYC、AML、およびその他のデューデリジェンス手順が堅牢であることを把握する必要があります。

最も効率の良いデューデリジェンス方法は3つの疑問を明らかにします:

  • クライアントは誰ですか?
  • このクライアントと取引できますか?
  • このクライアントと取引すべきですか?

リレーションシップに対するエンハンスド・デューデリジェンス(EDD) を実施することが理想的ですが、全ての質問をマニュアルで回答するともちろん時間が掛かります。自動化されたKYC、AML、決済および制裁審査を行うことにより、自行のリスクプロファイルに沿ってEDDが実施されることを確かにすることができます。

この多種多様なカウンターパーティソリューションには正当な顧客を不便にすることもなく、銀行の顧客の身元を効率的に調査し、金融機関の実質的支配者を明らかにし、必要に応じて重要な公的地位を有する者(PEP)とネガティブニューススクリーニングも調査し、その他のEDDチェックも効率的に実行できます。これが79%の企業がKYCなどの自動化プロセスを優先事項と見なしている理由です。

金融犯罪と戦うことは猫とネズミのレースゲームのようなものです。犯罪者は、新しい国際ルールや銀行システムを悪用する機会を常に模索し、一方銀行は、そのギャップを精力的に埋めています。これは不断の戦いであり、今日の金融危機対策は明日になれば改善する必要があります。

金融機関は、定期的に手続きの見直しや、チームにトレーニングを提供し、金融犯罪との戦いや取引相手のリスク管理の改善に使用するテクノロジーを最適化することが重要です。

あらゆる銀行に信頼されるコルレス銀行ネットワークを築くことにより、金融犯罪との戦いに勝利し、世界中でより大きな金融包摂を生み出すことができます。

これこそが勝利に値する戦いです。 

詳細に関しましては、KYC盲点の回避に関するホワイトペーパーをダウンロード頂ければと存じます。またはKYCソリューションと金融犯罪スクリーニングソリューションをご覧ください。

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